そこで、本稿では辞書に登録する複合動詞の削減と未知の複合動詞への対応を 実現するために複合動詞の構成要素から翻訳形式を決定するために構成要素の 分類をした。この分類により複合動詞の構成要素である前方動詞は5段18種、 後方動詞は2段24種に分類された。また、その分類を組合せ複合動詞の構成要 素の分類表を作成した。そして、分類に使用した標本に付与されている訳語を 参照し、分類表より導出できる翻訳形式を20個決定した。
次に分類表と分類表から導出される翻訳形式についての評価実験をした。一つ 目の実験として、機能試験文集中の複合動詞を対象として翻訳形式と一致する 割合を求め、翻訳形式の精度を評価した。二つ目の実験として、新聞記事中の 複合動詞を対象として分類作成に使用した標本と同じ分類に属する割合を求め、 一般文書への有効性を検証した。評価実験の結果として、翻訳形式と一致した のは対象の82%で、同じ分類に属したのは対象の70%であった。
以上により、本稿で手順を示し作成した分類は一般の文書にもある程度有効で あることがわかり、分類より導出される翻訳形式の精度も高いことがわかった。