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解析精度について

の型名詞句に対する形容詞の係り先解析では字面のみでは77%,意味属性のみで は75%であるが,これらを段階的に適用することで79%の精度が得られた.字面の みの解析で精度が比較的良いのは,同じ小説内のデータで頻度統計を行ったた めだと思われる.また,段階的に適用することで精度が向上した原因としては, 意味属性による解析では失敗する対象を字面解析の段階で取り除いたためと考え ている.

並列型名詞句では,汎化しない場合と汎化した場合の精度の差が顕著に現れた. 本稿での汎化の手法はある解析に対して大規模なシソーラスから最適なシソーラ スを構築する際に有効ではないかと考えている.ただ,一つのノードを汎化する度 に全てのノードの貢献度を求める必要があるため計算量が多くなっている.今後 は効率の良い汎化アルゴリズムを検討していきたい.

本稿の実験によって意味属性が係り受け解析にある程度有効であることが分かっ た.今後は例外処理を加えるなどして精度の向上を目指したい.


Noboru KURUMAI
2001-03-20