中井 慎司
1999年2月19日
本論文では、構造に多義を持つ日本語名詞句の中でも、基本的でかつ高頻度で現 れる「AのBのC」を対象に、名詞意味属性を用いた構造規則の自動生成法を提案 した。この手法は名詞句の持つ意味的な構造に着目して、1つの名詞句学習デー タから、3つの名詞 A、B、C間の意味的構造規則(3タイプ、計7種類)を自動生 成する。次に、得られた構造規則を別の名詞句標本データ(10,021個)に汎用規 則(1,2,3次元規則の順)から適用した。その結果、判定率96.0%、適合率 88.4%の精度で係り先が判定でき、最終的な正解率は85.1%であった。これよ り、提案した方法は名詞句に対し、精度の高い構造規則が得られることが分かっ た。