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日本語では従属節などの述語句が連結され長文となる傾向がある。そのため、日
本語長文の構文解析の精度を向上させるためには従属節間の関係の曖昧さを解消
することが必要である。
従属節は、主節の他に、連用節、連体節、引用節があり、このうち問題となるの
は連用節から連用節へ、連用節から連体節への係り受けである。このうち前者に
ついては、南の従属節分類[2]を読点、動詞の種類などによって拡張
した方法[3]が提案され、述語間の係り受け解析の精度も飛躍的に向
上したと言える。しかし、後者については、連体節が様々な形式の用言を包含す
ることができるため、表層情報による規則では十分な効果が得られていなかった。
ところで、係り受け関係にある連用節と連体節では、格要素や底の名詞が動作主や
対象として両者の用言と関係を持っていると考えられる。したがって、連用節と
連体節の各々の動詞と格要素や底の名詞の意味の組合わせによって、係り受け関
係を判定できる可能性がある。
そこで、本論文では用言の用法と要素となる名詞の意味に着目し、連用節から連
体節への係り受け解析手法を提案する。
asano
2000-03-15